まるもの雑記

なにか作ったりとかゲームとか。

理系のための文系就職、理系就職

理系の人なら一度は悩む文系就職。
私も金融や公務員を含めて就職を考えましたが
エンジニアを選んで10年ほど経ちました。

当時悩んだことと仕事の経験から
文系(主に金融系)とエンジニアの仕事について
違いと共通部分をまとめてみました。

妻は金融、私はメーカーで働いていて、友人はエンジニアや研究職が多いです。
私は研究というよりは設計に近い職種です。
就職を前にして悩んでいる学生を対象として書いたつもりです。

違うところ(エンジニアの特徴)

一つのことを狭く深く掘り下げる

1つの専門分野を数年の単位で続けることになります
改善点はいくらでもあるので勤務時間は長くなりがち。
会社で教えてくれることだけでは知識が足りないので
自分で継続的に勉強する必要があります。
好きであれば時間を忘れてできることもありますが
もし嫌いなことだったらものすごく苦痛になると思います。

もし研究室で楽しくやれているなら
今お金を払ってやらせてもらっていることが
急にお金をもらってやれるようになります。
突然180度変わるので困惑しますが
それは幸せなことだと思います。

好きなことを仕事にすると嫌いになってしまうので
仕事にしないほうがよいという考え方もありますが
他の人が苦痛に感じることを楽しくやれるのは、
一つの才能なので、ほかの人より成果を出しやすく
相対的に楽に仕事を続けられるという面もあるかと思います。

競争相手が世界中にいる

理科と数学というのは英語と同じように世界共通です。
なので世界中の人と同じ条件で戦うことになります。
その仕事をする人が日本人である必要がありません。
一緒に仕事をしている海外のエンジニアも
優秀な人がたくさんいます。

世界中で必要だけど、その人にしかできないことがある人は
どこに行っても需要があって、世界で一番いい職場を選べます。

だた、ほとんどの人はそこまで有能じゃないので
技術で対等だった場合は、給料が安いほうが需要があります。
そうすると生活コストの高い先進国にいる人は不利になりがちで
どうしても待遇が良くならないという問題もあります。

今後日本が貧乏になっていった場合は
他の国で仕事を見つけられたり、有利になるかもしれませんが
今時点ではデメリットかと思います。

営業など人を相手にする場合
日本語で日本人を相手に対応するという参入障壁があるので
海外の人が簡単には入ってこられません。
日本の文化は住んでいないと理解が難しいので
この参入障壁が崩れることはしばらくなさそうですが
今後移民や観光客が増えていった場合は、その利点も減っていくかもしれません。

同じ理由から英語が必要になる機会が多いです。
協力会社が海外なんてことも多いです。

私は机でもくもくと作業するのが好きだったのに
海外出張ばかり行った時期もありました。
ただ自分で機会を作らなくても
海外に行っていろいろなものを見られたことは
よい経験ができありがたいと思います。
ただこれは理系文系ではなく、職種次第かもしれないですね。

自由度が高い

これはほんと職種によりますが
何かを作り出すという仕事は、その人によって得られる成果が違うので
エンジニアの仕事には自由度が与えられていることが多いように感じます。
ある目的を達成するためのやり方を自分で考えられるので
特異な部分を使って苦手な部分を補うことが自分で工夫しやすいです。

私は作業ミスがすごく多いので
自分でチェックツールなどを作って成果物を別の方法で確認することで
苦手分野をなんとか補おうとしています。
やり方を選べるところに救われていますが
手続きの正確さが求められる金融の職場では
間違いは直接仕事の失敗になり、罵倒されることもあるようです。

また、チームで仕事をする場合苦手なことがあっても
得意な分野で貢献できるのでサポートしてもらえたりします。

服装や言葉遣いなども社会人として最低限は必要ですが
社外の方とのやりとりも技術的な理解が第一なので
営業の人ほどの完成度は求められず
服装なども自由なところが多いです。

周りに似た人が多い

エンジニアや技術者と言われる人はやっぱりオタクが多いです。
世の中に理系は1割くらいしかいないと言われているので
文系就職した場合どうしても大学までの環境と大きく変わります。

同じ業界に入るような技術者は、その周りの技術に興味がある人が多く
興味や趣味が近いので違和感なく付き合える同僚が多いと思います。
技術系だと飲み会や上下関係などもあまり厳しくないところが多く
金融のような先輩に絶対服従!飲み会や社員旅行は絶対参加!
みたいな空気がないことはとても助かっています。

ただ、同質な人ばかりの付きあいになるので
プライベートで気を付けないと
自分がどんどん偏っていくのがわかります。
特に男性が多い職場なので、女性との接点が極端に少なくなり
彼女がほしいと思っても、自分から動かない限り機会が少ないかもしれません。

同じところ

人と協力すること、折衝すること

社会人なら当たり前なのかもしれませんが
私はそれまであまり意識していませんでした。
エンジニアでも、ものだけを相手にすればよいものではなく
一緒に仕事をする人との話し合いが大きな部分を占めます。

なので周りの人とうまくやることはどこの職場に行っても大事です。

物理法則やコンピューターは条件がそろえば同じ結果になるので
大変でもストレスにならないことも多いのですが
対人関係のストレスというものはどんな仕事にもあるので
良い関係で仕事を続けるためには
社会人として最低限のマナーは必須だと思います。

ただし、突き抜けた能力を持ってる人は
好き勝手やっていても貢献している限り許されるような気がします。

体力、健康

冷静に考えると当たり前のはずなのに忘れがちです。

これで働けなくなる人は多いです。
どんなに優秀でも病気になってしまったら
今までと同じようには働けないし、
休みがちな人には信頼して仕事を任せてもらえません。

先ほどの対人関係ともつながるのですが
人の良い優秀な人はみんなが頼りにするので、
仕事が集中して、その結果体を壊す人が多いように思います。

大学でお世話になった先生は企業の方だったのですが
「仕事で体を壊しても会社は責任を取ってくれない
それでやめていった人をたくさん見てきた。」
とおっしゃっていました。
本当に大切なことを教えて貰い
今でも常に忘れないようにしています。

体だけでなく心の健康も大事なので
ストレス発散や自分の限界を超えないようコントロールすることは
どの仕事でも同じように大切です。

頼ってきてくれた案件を断るのは勇気がいりますが
できないものはできないと伝えることも大事です。

体調を壊して動けなくなってから休むのと
ストレス発散のために休んで遊びにいくのは
周りの人からしてみたら何も違いはありません。

私は頼りにされてるとはとても言えませんが、
それでも仕事量とプライベートのコントロールは難しく、
何年経っても課題のままです。

仕事は仕事

好きなことだけできるわけではないし
やりたくないこともやらされます。
必要な貢献をしてもらうために会社はお金を払ってくれるので
希望したことができないことのほうが多いです。

求められたことは最低限やった上で
今後やりたいことは自分なりの120点を目指すと
次に同じ話が来る確率が高くなるような気がします。

また、器用貧乏よりは何かのスペシャリストになったほうが
自分で仕事をコントロールしやすくなるように感じます。
なんでもできる人は他の人が苦手な仕事を振りやすいのかもしれません。

まとめ

好きで理系になった人は
勤務時間は長くて、給料が低くても
理系の職場で働くのがわりと幸せなのかと思います。
ただ、実際の仕事に理系も文系もないので
あまり意識しなくてもよいのかもしれません。

偏見や間違っている点もたくさんあると思うので
それを踏まえた上で少しでも参考にしていただければ幸いです。